NSエコパイル工法
概要
日本の主要都市のほとんどは河川下流の沖積層平野部に
発達しています。沖積層は、軟弱地盤であることが多く、
高層 建築や高速道路などを建設する際には、強固な地盤
に到達す る杭によって構造物を支持する必要があります。
往来の杭施工法においては、泥水・残土などの産業廃棄
物や、騒音、振動などが環境的、社会的に大きな問題となり
つつあります。
親日鐵の「NSエコパイル」は、それら既存の杭工法の問
題点を解決すると共に、高支持力、高耐震性、低コスト、
短工期を実 現する次世代の杭工法です。
特長
オーガマシンによる回転圧入工法の採用により、
杭を地中に貫入する際に衝撃を発生 せず、無騒
音・無振動施工を実現しました。
回転圧入工法による先端地盤の締め固め効果、及
び羽根の拡底効果により、大きな鉛直 支持力を得
ることができます。
鋼管杭基礎であるため、大きな変形性能を有して
おり、耐震性に優れています。
貫入時と逆に回転させることによって、容易に杭
体を引き抜くことができるので、リサイクルが 可
能になります。従って仮設杭としての利用も可能
です。
大きな支持力を発揮できることから、杭径を小さ
くして杭本数を減らすことができます。
また泥水・残土の処理費用が不要となること、工
期の短縮などから、コストの低減がはかれます。
杭の先端に螺旋状の羽根を設けて回転圧入による
貫入を行うため、無排土施工を実現し ました。こ
のことにより、杭周辺地盤を締め固める効果も得
られます。
最終根入れではトルクにより先端支持力を確認す
ることができるため、高品質で信頼性の 高い杭基
礎の構築が可能です。
貫入時に羽根部に推進力として作用した受動抵抗
力が、そのまま引き抜き抵抗力となるため、 大き
な引き抜き支持力を得られます。
コンクリートやセメントミルクなどの打設及び養
生を必要としないため、場所打ち杭や埋め 込み杭
に比べて、短工期での施工が可能です。
施工手順
杭を吊り込んでオーガマシンにセットします。
杭の先端を所定の位置に「振れ止め装置」で固定します。
鉛直性を確認後、オーガマシンにより杭に回転を与え、回転圧入を行います。
(所定のトルクの確認を行い施工を完了しま
す。)
NSエコパイルの設計(建築)
| 支持層 | 土質が砂質土または礫質土層であり、N値が15以上である地盤 | |
|---|---|---|
| 杭径(Dp) | 100mm~1,600mm(呼び径) | 適用範囲は下の 「標準仕様」の 通りです。 |
| 羽根径(Dw) | 杭径の1.5~2.5倍 | |
| 杭長・施工深度等 の制限 |
70m以下かつ杭径の130倍以下 引抜き支持力を期待する場合:杭長の最低値は 羽根径(Dw/Dp≧2 の場合にはDw=2Dpの値と する)の10倍とし、杭先端位置はGL-10m以深 とする。 |
|
| 支持層への根入れ長 | 原則として杭径以上(施工時にはトルク管理により打止めることもあり ます) |
|
| 杭の中心間隔 | 杭径+羽根径 | |
| 部材 | 規格記号 | 基準強度 | 長期許容応力度 | 短期 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| F値 | 曲げ・圧縮 | 引張 | せん断 | |||
| 銅管 | STK400 | 235N/mm2 | F*/1.5 | F/1.5 | F/1.5√3 | 長期の1.5倍 |
| STK490 | 325N/mm2 | F/1.5 | F/1.5√3 | |||
| SKK490 | 325N/mm2 | F/1.5 | F/1.5√3 | |||
| 羽根 | SS400 | 235N/mm2 | F/1.5 | F/1.5 | F/1.5√3 | 長期の1.5倍 |
| SM490 | 325N/mm2 | F/1.5 | F/1.5√3 | |||
| SCW480 | 275N/mm2 | F/1.5 | F/1.5√3 | |||
| F* | 設計基準強度 | |
|---|---|---|
| 0.01≦tpc/r≦0.08の場合 | F*=F(0.8+2.5・tpc/r) | |
| tpc/r>0.08の場合 | F*=F | |
| r | 杭軸部の半径(mm) | |
| tpc | 腐食代を除いた鋼材の厚さ(mm) | |
鉛直許容支持力
(1)長期許容鉛直支持力
(2)引き抜き方向の短期許容支持力
(3)杭材の長期許容圧縮力および短期許容引張力
製品(建築)
NSエコパイルの設計(土木)
設計の基本事項
支持力式
(1)極限押し込み支持力
(2)極限引き抜き抵抗力
(3)水平支持力
| 支持層 | 砂、砂礫地盤であり、N値が15以上である地盤(但し、道路橋本体構造 に用いる場合はN値 30以上である地盤)粘性土であり、N値が20以上あ る地盤 |
|---|---|
| 杭径(Dr) | 114.3mm~406.4mm |
| 羽根径(Dw) | 杭径の2.0~2.5倍(但し、道路橋本体構造に用いる場合は2.0倍径を用 いるものとする) |
| 杭長・施工深度等の 制限 |
杭径(Dp)の130倍程度以下 引抜き支持力を期待する場合:最低7m |
| 支持層への根入れ長 | 原則として杭径(1.0Dp)以上 |
| 杭の中心間隔 | 杭径+羽根外径 |
| 斜杭 | 10°程度以下 |